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2007年11月20日 (火)

城西病院での医療事故の背景を考える

 15日に、名古屋市立の城西病院でチューブの交換で医療ミスがあり、入院していた患者さんが亡くなるという事故が起きました。

 患者さんの家族の方は、大変辛い思いをされたことと思います。

 患者さんの気管に取り付けていたチューブを交換したあとに、窒息して死亡したというものです。看護師がチューブに取り付ける部品を「よく似ていたから」と間違えたためと報道されています。なぜ、このような痛ましいミスが起きたのか、考えてみたい。

 記者会見で城西病院の院長は、「単純なエラーと考えられる」と謝罪し、過誤を認めています。

 では、なぜ「単純なエラー」が起きたのか。作業の流れのどこに問題があったのか。マニュアルは、あったのか。そのマニュアルに、問題はなかったのか。それにもとづいて作業が行われていたのか。もし間違いが起きていたら、「誰が」「どのようにチェックするのか」、というエラーをチェックする態勢がとられていたのだろうか。さらに、事故防止のために講習会などは行われていたのだろうか。

 わたしは、この問題の根底には「看護師不足」という問題があったと思います。「ナース・ウェーブ」という看護師の増員を求める運動は、既に10年以上も前から行われています。「夜勤の回数を減らして!」は、全国的な、そして社会的な課題となっていたのです。

 また、名古屋市立の病院では、看護師不足から東市民病院と緑市民病院で「病棟の閉鎖」が行われているのです。これは、名古屋市当局の怠慢としかいいようがありません。 

 医師の不足も深刻です。守山市民病院の外来診療でも、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科では常勤の医師がおらず、「代務」の医師があたっています。産科での分娩は、2008年4月から廃止になります。

 今回の城西病院での医療事故は、このような看護師不足という深刻な背景の中で起こったものです。

 この事故で、担当した看護師の個人責任が問われることは間違いないと思いますが、個人の責任追求だけで終わっては、再発は防げないのではないでしょうか。「ミスを起こさない」は、当たり前のことです。しかし、「誰でもミスは起こす」と考えなくてはなりません。したがって、その時に「どうやってカバーするのか」というヒューマンエラーに対する予防策を講じなくてはならないのです。

 わたしは、そのためには、まず看護師の増員をすることだと考えます。

 つぎに、マニュアルの完備と、講習や研修を行うことです。看護技術の向上と同時に、異常時への対応も必要です。チームワークも大切ですよね。器具の交換では、あらかじめ、どの患者のものはどこに置き、交換後の確認はどうするか? 機器に「患者さんの名前は書くのか、どうか」あるいは「何か印を付けるのか」など、特定しておくことも必要ではないでしょうか。これは、現場のみなさんの知恵で解決することでしょうね。なぜなら、現場を一番よく知っているのは、そこで働いている人たちですから。

 素人のわたしが、「うんちく」を並べて、大変恐縮しているんですが、もう一言。

 夜勤の回数を減らすなど、労働条件の向上は、看護師さんの健康を守る上でも必要ですよ。医師の「過労死」が社会問題として浮上してきていますが、看護師さんが、疲労でフラフラしていては患者は「看護師さん大丈夫ですか?」と、不安になってしまいますね。

 トラックの運転など運送業では、「過労運転」をさせたら、使用者の責任が問われます。人命を預かる医療の現場で、「医師の過労死」は絶対にあってはならないことです。

 医療の事故でも、「過労な業務」であれば、使用者に「どのような労働条件だったのか」などの責任が問われてしかるべきだと、わたしは考えます。

 医療の現場で昼も夜も人命を守るために頑張っている方々に、「労働条件を改善することも頑張って」とエールを送ります。

    ゆうたろう

 ※)マスコミは、中日新聞と毎日新聞のインターネット版を参照しました。

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     イタリアのボローニャ市は、職人の町で精密機械は世界的な評価をえている。町作りも、市民が討論し組合を立ち上げ、行政が支援している。レジスタンスも勉強になった。ボローニャ大学は、医学の歴史でも、なかなかおもしろい。
  • 堤未果:: 『ルポ 貧困大国アメリカ』
     米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇し、その後ジャーナリストとなった経歴の著者が見て、聞いて、そして書いた大国アメリカの底辺の実態。日本の政府と経済界が押しすすめるグローバリゼイションと、新自由主義の行き着くであろう世界です。(岩波新書)  
  • 南木佳土: 『信州に上医あり―若月俊一と佐久病院―』 ・
     信州(長野県)に佐久病院というのがある。農村である。封建的だった。そこへ「アカ」といわれる若い医師が東京から着任した。  「予防は治療に勝る」と、出張診療をするなど、地域に医療をコツコツと築いた。  「医療」とか「地域医療」を考えるのに、一度は目を通したい本である。
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