産廃裁判を傍聴しました
環境測定の専門家の答えに、被告側の弁護士が質問につまりました。
諫早湾の漁業被害を佐賀地裁が認定した27日、名古屋では松河戸の産廃施設の差し止めを求める裁判の公判がありました。都合で遅れましたが、傍聴しました。
10時から16時までという長時間の公判で、原告側の証人尋問が行われました。
原告3団体がそれぞれ証人に立ち、名成産業が松河戸に産業廃棄物の焼却施設を建設することをどう知ったのか、住民の反対運動をなぜ行っているのか、住民は何を求めているのか、などを証言しました。はじめの部分は、時間に間に合わず聞くことができませんでしたが、概要を記します。
守山区の会の大島さんは、産廃施設は事故をくり返したため試運転を中断しているが、県への改善命令はまだ出されていないこと、住民は岐阜県御嵩の元町長の柳川さんを講師に学習会を開き「化学物質は長い間に体内に蓄積され人体に有害となること」「行政はウソをつくことがある」など勉強しました。この学習会には若いお母さんの参加も多く「子供の健康への心配をしている」と述べました。大島さんは、かって王子製紙の排煙から、臭気やブツブツしたものが飛んできたため反対運動があったことも述べました。
春日井の会の方は、名成産業の説明会のやり方は、春日井市の行事と同じ日、同じ時間に設定し、反対にもかかわらず一方的に行ったこと。2回目の説明会も紛糾したことを述べました。連絡会がもたれているが、説明会に代わるものではないことや、区長などは1年ごとに代わるため内容を理解していないこともあり、あまり機能していないことや住民に内容が知らされていないと述べました。区長からは、「やめてほしい」「出ていってほしい」との意見が出されている。また、事故の発生を自分で知るのではなく他から言われてから対応するなど危機管理に疑問があると述べました。名成産業の社長は「意見交換の場が増えればよい」と言ったが、そのようなことはなかったと不信を示しました。
北区の会の代表は、北区には名成産業からの説明はなかったので、春日井や守山などから話を聞いて知った。学習会でダイオキシンのことを学び、国立市なども見てきた。説明会で炉の安全性の説明は中島社長が行った。説明会をすればするほど住民の不安は広がっている。廃棄物の予定排出企業一覧表で電話で確認したところ、「知らない」「予定していない」と回答されたことを述べました。前回の公判で広島県立大学の三好教授は、データの改ざんを指摘し、また「爆発の可能のあること」も証言していたと不安を述べました。
環境総合研究所の専門家は、ダイオキシンの測定について、施行規則で数値が規定されていること、設置者が測定をすることと、サンプリングについて説明しました。このサンプリングは、燃焼が安定してから24時間365日のうちの4時間というベストスコアという限界性についても述べました。パワーポイント(スライド)を使って、プルバフーンモデルと3次元モデルなどの予測手法の説明を述べました。事業者のデータは大雑把で、「名古屋地方気象台と春日井市の南消防署のデータとでは7割違う」などと指摘されていました。大気中の濃度は、排出濃度が既存濃度に加算されたもので、この地域の濃度は全国最高の規模になると述べました。
専門家の「3次元モデルの方が実態に近い」との説明に、被告側代理人は「屋根の高さは正確か」などと質問したもの、平面との相対的な比較で3次元モデルの方がダイオキシンの落ちる数は大きくなることが述べられました。
被告側代理人は、質問をいくつかしたものの、詰まってしまったようでした。傍聴席のアチコチで失笑が聞かれました。
大気汚染の調査と研究を行っている専門家の見識は、大変勉強になりました。大気の汚染が、既存の汚染に新たに排出される有害ガスが加わるものであること。この松河戸の地区には、王子製紙などの先輩がすでに大気汚染をしており、名成産業のような危機管理能力が問われ、住民との間に信頼関係のない企業が操業することの危険性、問題性が思っていたよりも大きいことを痛感させられました。
前回の尋問で、広島県立大学の三好教授が証人として「低温の燃焼で不完全燃焼を起こしており、ガス爆発の可能性がある」と述べたことも印象に強く残りましたが、きょうの排気ガスが風下で拡散して地面に多く落ちるという意味の重大性は深刻に受け止めなければならないと感じました。
産廃焼却施設のすぐ南には庄内川が流れ、農業用水の水源にもなっています。田んぼのほかに畑を作っている人もたくさんいます。産廃からのダイオキシンは、大気からも、そして食べ物からも体内に入ってしまうのです。そして、何年もの間に蓄積され、健康に障害が起きるのです。
生活習慣病というもののなかには、食事の占める割合が大きいと思います。細胞に異常を起こす引き金に、これらの蓄積された有害物があるとか、ないとか、言われています。美味しい空気を吸って、美味しいものを食べて、運動もして健康で長生きしたいですね。
それにしても、原告側の住民の証言で、名成産業の無責任さが隠しようのないものになりました。「撤退してもらうしかない」ですネ。
ゆうたろう


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